夜道を歩いている時、突然腕を掴まれる──。
そんな時は誰でもパニックになり、体が固まりやすくなります。

しかし、護身術には 力が弱い人でも使える実用技術 がいくつもあります。
今回はその中でも、特に 「その場で使える」「覚えやすい」 ものだけを紹介します。


1. まずは“声”で距離を作る

腕を掴まれた瞬間の最優先は 相手と距離を作ること です。

● 大声が最強の護身

  • 「離して!」
  • 「助けて!」
  • 「やめて!」

どんな言葉でもいいので、声を出す=周囲に知らせる=相手を怯ませる ことにつながります。

暴漢は「周囲に気づかれたくない」ため、声を出されるのを非常に嫌います。

カラオケで大きな声で歌うなど、護身を意識して大きな声を出す練習をしてください。

● 声を出すのが怖い場合

胸の前で短く 「ハッ!」 と吐くように声を出すだけでも効果あり。

呼吸は自律神経と密接に関係しています。
ゆっくり長く深呼吸をすると落ち着きます。
速く短く呼吸をすると集中状態を作ることが出来ます。

今は動く時!
声が出ない場合は速く短く「ハッ」と呼吸をして自分にスイッチを入れましょう。
これだけで体の反応が戻り、動ける状態になります。

2. 力ではなく“方向”で振りほどく

腕を掴まれた時、無理に引っ張ると相手の方が強く、抜けません。

「弱点の方向に抜く」 ことが大事です。

● 腕を抜くコツ

掴まれている手を見ると、相手の親指がどこにあるかがわかります。

👉 親指と他の指の隙間の方向が一番弱いので、そこへ向かって一気に抜きます。

できれば自分の腕の面積の小さい向き(親指側)が相手の指の隙間を通り抜けるように抜くとさらに効果的です。

さらに強くて粘り強い相手には相手の手の内のアソビを取ったうえで、自分のアソビなく抜くという技術を使うことでほぼ対処できるはずです。
これは少し練習をして感覚をつかむ必要がありますので最下部の動画をご覧ください。

「ピッ」として「ピッ」と抜きます。

これは小学生でも抜けるほど効果的です。


3. 離したいのに離してくれない時の“簡易反撃”

もし強く掴まれて抜けない場合でも、
格闘技経験のない人が安全に使える護身動作があります。

● 有効な部位

  • 顔(特に目・鼻)
  • 金的
  • すね
  • 足の甲

● すぐ使える簡易反撃

  • 顔を引っ掻くように前へ手を伸ばす
  • 金的を膝で蹴り上げる
  • かかとで相手の足の甲を踏む
  • 靴のつま先で相手のすねを蹴り上げる
  • 相手の膝を蹴り込む
  • スマホなど固いもので顔を叩く

相手に反撃をして 怯んだすきに走って逃げる のが原則です。


4. 危険な状態でやってはいけないNG行動

❌ 技を完璧に決めようとする

実際は想像通り、練習通りにはいかないものです。
上手くいかなくても心を止めずに逃げるために必死に動き続けることです。

❌ 相手のことや社会的なことを気にする

自分の強さに自信があれば、相手を怪我させないことや、自分の社会的立場を守ることを考える余裕を持てます。
でも自分の強さに自信が無いのであれば、相手のことや社会的なことを考えている場合ではありません。
自分と自分の大切なものの心と体の安全を第一に守ってください。


5. 日常でできる“事前の予防策”

護身術は「戦うこと」ではなく、
危険を避ける行動を増やすこと が最も大切です。

● 事前にできる安全行動

  • イヤホンを片耳にする
  • 暗い道ではスマホを見ない
  • バッグは体の前に持つ
  • 不審者に気づいたら早めに人気のある建物へ入る

「気配に気づく力」は護身の最重要スキルです。


まとめ:護身は“弱い人でもできること”が最強

夜道で腕を掴まれた時に必要なのは、
力や格闘技ではなく、“逃げるための小さな動作” です。

  1. 声を出す(威嚇、助けを呼ぶ)
  2. 指の隙間の方向へ腕を抜く
  3. 必要なら反撃し、距離ができたら走って逃げる

この3つを覚えるだけで、
誰でも実用的な護身術を身につけられます。

この記事の動きを“実際の映像”で確認したい方へ

文章だけでは伝わりにくい
腕を掴まれた瞬間の体の使い方や、振りほどく方向、力の抜き方
実演動画でわかりやすく解説しています。

  • 実際のスピードでの動き
  • ミスしやすいポイント

など、この記事では説明しきれなかった部分を
動画でまとめました。

👇 実践動画はこちら

※ 動画を見てからもう一度この記事を読むと、
理解が何倍も深まります。